今まで、マニラ周辺を回っていたが、今回は少し遠出をしてみる事にした。
いつものように便利な Grabでタクシーを呼び目的地に向かう。
向かう先は「Treasure Mountain」
今までのように栄えた場所ではなく、自然豊かな観光スポットだ。
ここはプールやバーベキューもあり、キャンプにはうってつけの場所だという。
都会の空気ばかり吸っていても面白くないと思い、たまには気晴らしに思いっきり深呼吸でもしたくなったのだ。
しかし今回、かなりの遠出である。
タクシーで1時間半もかかるらしく、正直暇な部分もあるが、一体どんな景色が待っているのか楽しみで仕方がなかった。
走らせる事30分、辺りはすっかり変貌していた。
ビルなど一切ない。
急ごしらえのような掘立小屋と、崩れかけの屋台、よく旅番組などで見る、ジャングル付近の集落にそっくりだった。
子供達は皆半裸で、靴を履いてる子の方が少ない。
風景が今まで見てきたフィリピンの中で、ダントツ原始的だが、それよりも驚いたのが、道路の無法地帯感だった。
今まで Grabを利用したタクシーは乗り心地もよく、且つオルティガスという整備された道路を走っていた為、何不自由なく乗れていたが
いざ、オルティガスを離れてみると車移動の厳しさを痛感させられた。
まず、車の密度が高い。
日本の渋滞など目ではないくらい、車が道路に密集している。
車だけならまだしも、自転車やスクーターなどが間を縫って走り抜ける為、日本人が運転するとほぼ確実に事故を起こすだろう。
また、急な割り込みや急停止など当たり前なので、まるで遊園地のアトラクションに乗っているかのような感覚に陥る。
三半規管が弱い人は、ほぼ間違いなく酔うだろう。僕は自分で運転するのはいいが、人に運転に酔うタイプなので大変だ。
そんなアトラクションのような車内をやり過ごし、ついに目的地に到着した。
舗装が全くされてない山道を駆け上がり、山の頂上目指して進む。
これまたジェットコースターでも味わった事のない揺れを経験し、開けた場所についた。
車を降りる。
1時間半ぶりに伸びをし、空気を吸い込む。
フィリピンに来て以来、初めて、綺麗な空気を吸い込めた気がした。
この壮観な景色…
ちょうど雨上がりという事もあり、偶然にも虹を見る事ができた。
都会の進んだ街並みも良いが、やはり、こういった自然に触れるのも良いものである。
早速、この山を散策しようと歩き始めたが、少し尿意を感じ、トイレに入る。
おそらく、日本人がフィリピンに来て1番最初に感じる困惑が、トイレに関する事だと思う。
フィリピンは、まだ下水が発達していない為、トイレットペーパーを便器に流す事はできない。
もし気にせず流し続けようもんなら、いつか詰まらせ、もれなく自分の出したものを自分で掃除する羽目になるだろう。
では、どうするかというと、至極簡単で、個室にあるごみ箱に捨てるのである。台湾とかもこんな感じだったな。
汚いものは、即効、水に流してしまえる日本とは違い、こちらでは、近くのゴミ箱に捨てなければいけないため、綺麗好きな人にとっては苦行であろう。
しかし、ここは海外。
ある程度の順応性は必要であろう。
今回、僕はある程度フィリピンのトイレは経験し、慣れたつもりだったが、この山にあるトイレは、また都市のトイレとは違った仕組みであった。
日本と違うとはいえ、フィリピンも便器の水を流す事はできる。
しかし、用を足し終えた私は、ここにきて水を流せるレバーがどこにもない事に気付いた。
これは大変困る。何故なら今自分が出したものがそのまま、残っているのである。
一体どうしたものかと辺りを見渡すと、個室に水を溜めた大きな桶がある事に気付く。
ずっと手を洗うようかなと思っていたが、ふと思い立ち、その水を便器に流し込んでみた。
私の予想が外れていたら、私の汚物もろとも水があふれだすことになるが、運よく私の予想通り、水は汚れた水を奥深くへと追いやってくれた。
このトイレのように、新たな水を流し込むことにより、今まであった水を奥の下水に流しこむつくりのトイレもあるという事を知る事ができた。
さて、汚い話はここまでにして、早速あたりを散策する事にする。
散策といっても辺りは綺麗な景色があるだけだが、それでも、やはり眼福だった。
あと、この山頂のスポットには、軽い食事どころがあるそうで、
150ペソ(約300円)で食事が食べられるという。
その食事を楽しむのもいいが、今回は行ってみたい店があった為、断念する。
一通り景色を堪能した後、その店に向かってまたタクシーに乗り込む。
身体が宙に浮くほどの揺れは相変わらずすごかったが、何とか山道を下り、
その件のレストランに向かう。
山頂から、20分程度で着いたそのレストランは、これまた良い景色だった。
知り合いにおススメのお店として紹介されていたので、早速入り、ご飯を食べる。
正直、そんなにおいしいとは思えなかったが、フィリピンの家庭料理を味わえて満足であった。
腹も満たすことができ、綺麗な景色も堪能できた為、帰路につく事にする。
今回、色々な発見があった。
フィリピンの栄えていないところのリアル。
山での用の足し方等。
確かに不便だが、その中にも工夫を感じる事ができる為、しみじみ良い経験だった。
④に続く